お好み焼きを作ろうと考えている悠真と和臣は、スーパーで買い出しをしている。
どんな具材よりも決め手となるのが『山芋』なのだが・・・、手に取りながらため息をつく。

山芋さわるとさ、いつも手が痒くなっちゃうんだよね・・・。

俺も、山芋はどうしても痒くなるんだよな。
そうはいっても、山芋なしのお好み焼きなんて考えられない。
山芋が『ふわっ』『とろっ』を演出するのは間違いない!
そんな会話をしていると、青果コーナーのお兄さんが声をかけてくれた。
「山芋は、一度冷凍すればかぶれにくくなりますよ!」
お好み焼きやとろろご飯を作るときに欠かせない山芋。
しかし、すりおろすと手が痒くなってしまうのが悩みの種・・・そんな方に試してほしい簡単な裏ワザがあります。
それは、山芋を一度冷凍すること。
たったこれだけで、手のかゆみを防ぐことができるんです。
青果コーナーのお兄さんからの、まさかの裏ワザに驚く二人は早速試してみることにする。

材料の買い忘れはない?

キャベツも天かすもあるし、あとは愛情かな?

なにそれ、もう十分足りてるでしょ。
そんなやりとりをしながら楽しい買い物を終えると、帰宅後、早速山芋を冷凍庫へ。
明日の夕飯が楽しみだ。
この裏ワザは、冷凍しても風味や食感にほとんど影響がないので、美味しさそのまま!
面倒な手袋やラップを使う必要もなく、手軽に調理ができます。
今回は、この裏ワザの詳しいやり方と、冷凍しても美味しさをキープできる理由をご紹介します。
山芋で手が痒くならない裏ワザ!簡単な方法とは?
山芋をすりおろすと、手が痒くなってしまうことがありますよね。
これは、山芋に含まれるシュウ酸カルシウムという成分が皮膚を刺激するためです。
そこでおすすめなのが、山芋を冷凍する方法です。
一度凍らせることで、この成分の刺激が抑えられ、手が痒くなりにくくなるんです。
冷凍しても食感や風味はほとんど変わらず、美味しくいただけますよ!
■ 準備するもの
- 山芋(長芋、大和芋など種類は問いません)
- ラップ
- 冷凍用保存袋
■ 手順
① 山芋を洗う
山芋の表面についている土をしっかり洗い流しましょう。皮付きのまま冷凍するので、汚れが残らないように注意してください。
② ラップで包む
山芋を一本そのまま、または使いやすいサイズにカットしてラップで包みます。カットする場合は、後で調理しやすい大きさにすると便利です。
③ 冷凍用保存袋に入れる
ラップで包んだ山芋を冷凍用保存袋に入れ、しっかり空気を抜いて封をします。これにより、冷凍焼けを防げます。
④ 冷凍庫で1日以上凍らせる
しっかりと凍らせることで、手が痒くなる原因のシュウ酸カルシウムの刺激が和らぎます。
⑤ 解凍せずにすりおろす
使うときは解凍せず、冷凍のまますりおろしましょう。凍っていることで手に山芋がつきにくく、より痒くなりにくい状態で調理できます。

この方法なら、山芋を使うたびに手袋をする必要もなく、簡単に痒みを防げそうだな!

僕らは明日・・・ね。
みなさんも、お好み焼きやとろろご飯を作るときは、ぜひ試してみてくださいね。
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なぜ冷凍するだけで手が痒くならないのか?
山芋を触ると手が痒くなる原因は、シュウ酸カルシウムという成分にあります。
これは針のような形をした微細な結晶で、肌に触れるとチクチクと刺さり、刺激を与えてしまうのです。
しかし、山芋を冷凍することでこのシュウ酸カルシウムが変化し、刺激が弱まると言われています。
冷凍の仕組みとシュウ酸カルシウムの変化
1.針状の結晶が破壊される
冷凍することで山芋の細胞内の水分が膨張し、結晶構造が壊れやすくなります。これにより、針のような形のシュウ酸カルシウムが崩れ、皮膚への刺激が少なくなります。
2.冷凍すると粘り気が増し、手につきにくくなる
山芋は冷凍することで粘り気が強くなる性質があります。冷凍状態のまま調理すれば、手に直接触れることが少なくなるため、痒くなりにくくなるのです。
3.低温で痒みの原因物質が働きにくくなる
シュウ酸カルシウムは冷たい状態では刺激を感じにくくなるため、冷凍したまますりおろせば、痒みをほとんど感じずに調理できます。
つまり・・・
山芋を冷凍することで、手が痒くなる原因の針状結晶が壊れ、刺激が弱まり、手につきにくくなるため、かぶれにくくなるのです。
さらに、冷凍するだけなので手間もかからず、すぐに試せるのが嬉しいポイントですね!
万が一、痒くなってしまったら?
山芋を冷凍しても、完全にシュウ酸カルシウムがなくなるわけではないため、体質によっては痒みを感じることがあります。
とくに、肌が敏感な方やアレルギー体質の方は注意が必要です。
痒くなってしまった場合の対処法
- すぐに洗い流す
→ 流水でしっかり洗い流しましょう。 石鹸を使って優しく洗うと、山芋の粘りと一緒に刺激物も落ちやすくなります。 - お酢やレモン水で中和する
→ 山芋の痒みはアルカリ性の成分によるものなので、お酢やレモン水(弱酸性)を手に塗ってしばらく馴染ませると、痒みが和らぐことがあります。 - 塩や重曹でこすり洗い
→ 塩や重曹を少し手に取り、軽くこすりながら洗うと、山芋の成分を効果的に落とせます。ただし、肌を傷つけないように優しくこするのがポイントです。 - 冷やす
→ 氷水や保冷剤で手を冷やすと、皮膚の刺激が和らぎ、痒みが落ち着くことがあります。 - 痒みがひどい場合は薬を塗る
→ かゆみが強い場合は、抗ヒスタミン成分の入ったかゆみ止めの塗り薬を使うと効果的です。
予防策も大事!
もし冷凍しても痒くなる場合は、ビニール手袋やラップを手に巻いて調理すれば、直接触れることなく安心して使えます。
冷凍山芋は痒くなりにくくなるとはいえ、100%防げるわけではないため、万が一に備えてこれらの対処法を覚えておくと安心ですね!
冷凍山芋の裏ワザの注意点
この裏ワザは便利ですが、いくつか気をつけるべき点があります。
① 冷凍前にしっかり洗う
冷凍する前に、山芋の表面についた泥や汚れをしっかり洗い流しましょう。
皮ごとすりおろす場合もあるので、清潔にしておくのがポイントです。
② 冷凍すると食感が変わる
山芋を冷凍すると、解凍後は水分が抜けて少しシャリっとした食感になることがあります。
長芋ほどではありませんが、山芋特有のねばりが少し弱くなることも。
とろろにする場合は、解凍せずにそのまますりおろすのがおすすめです。
③ 一度解凍すると再冷凍はNG
冷凍した山芋を解凍したあとに再び冷凍すると、風味や食感が大きく落ちてしまいます。
使う分だけ小分けにして冷凍しておくと、無駄なく使えますよ。
④ 冷凍期間の目安は1ヶ月以内
山芋は冷凍保存できますが、1ヶ月以内に使い切るのが理想です。
時間が経つと風味が落ちたり、冷凍焼けを起こす可能性があります。
⑤ すりおろすときは手をケガしないように注意
冷凍した山芋は固いため、すりおろすときに力を入れすぎるとケガをする可能性があります。
すりおろす際は、しっかり固定しながら慎重に扱いましょう。
この裏ワザを活用すれば、手が痒くなる心配なく山芋を調理できるので、ぜひ試してみてくださいね!
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冷凍山芋の裏ワザの、まとめ
山芋を冷凍するだけで、手が痒くなるのを防げる簡単な裏ワザをご紹介しました!
▼ 裏ワザのポイント
◆ 山芋を1日冷凍庫に入れるだけでOK!
◆ 皮をむいたりすりおろしたりしても手が痒くならない
◆ 味や風味にほとんど影響なし
▼ 注意点
⚠ 冷凍前にしっかり洗うこと
⚠ 冷凍すると若干食感が変わる
⚠ 一度解凍した山芋は再冷凍しない
⚠ すりおろす際はケガに注意
今まで山芋で手が痒くなるのがイヤで調理を避けていた方も、この方法ならストレスフリー!
とろろご飯やお好み焼き、山芋ステーキなど、ぜひ気軽に山芋料理を楽しんでくださいね。
★おまけ★
翌日。
ホットプレートの上でジュワジュワと焼けるお好み焼き。
部屋いっぱいに広がる香ばしい匂いに、二人の食欲は最高潮。

山芋、ほんとにかぶれなかったね!

うん、あんなに簡単なことで解決するなんて、もっと早く知りたかったな。

店員さんに感謝しないとね。

今度お礼を言わなきゃな。
ふわっと焼き上がったお好み焼きを口に運ぶ。
とろっとした食感に、二人の顔が思わずほころぶ。

おいしいね。

うん、おいしい。
自然と顔を見つめ合い、少し照れくさそうに微笑む。

これからは、かぶれる心配もないし、もっとたくさん作れるね。

そうだな。
じゃあ、次は二人で粉もんパーティーでもする?

・・・太るよ?
ホットプレートの温もりと、互いの優しい笑顔に包まれながら、幸せな時間が流れていく。

悠真、唇のとこ・・・ソースついてる。
「え、まじ?」と、悠真が慌てて指で拭おうとすると、和臣はすっと手を伸ばし、親指でそっとソースを拭う。
そして、そのまま指先を口に運び、ぺろりと舐めた。

ご馳走さん。
何気ない仕草でいたずらっぽく笑う和臣に、悠真の心臓が一気に跳ね上がるのだった。
何気ない仕草なのに和臣の目が優しくて、悠真は顔が熱くなるのを止められなかった。
こんなふうにからかわれるのは悔しいけれど、嫌じゃない・・・むしろ、もっと・・・。

・・・ずるい。

ん? なにが?

なんでもない!
ぷいっとそっぽを向く悠真を見て、和臣はますます楽しそうに微笑むのだった。