古畑任三郎の世界で時々話題となる『ファルコン定理』ですが、一体どんな内容のものなのでしょうか。
数学界で長年証明されずに、多くの数学者の頭を悩ませてきた難問となると・・・ワクワクしますよね。
長年ってどれくらいの期間のことなのでしょうか?
難問って相当難しい問題なのでしょうね。
気になります!
なので調べてみました!
検索窓に『ファルコン定理とは』と入力し、いざEnterボタンをパーンと軽快に押したのですが・・・。
ない。
ないのです。
実は『ファルコン定理』って、実在しない難問だったのですね。
しかし元ネタがありましたので、今回はそちらを簡単にご紹介したいと思います。
古畑任三郎で話題のファルコン定理とは?
ファルコン定理は、古畑任三郎の第13回『笑うカンガルー』と第19回『VSクイズ王』で登場しました。
笑うカンガルー 1995年4月12日放送
『笑うカンガルー』はスペシャル枠で放送された、オーストラリアを舞台に殺人事件が起きたストーリーです。
数学者の二本松晋(陣内孝則さん)と野田茂男(田口浩正さん)は二人で一人、数学コンビを組んでいました。
しかし、二本松には数学者としての実力はほとんどなく、世界を相手取って相手にされていなかったというかわいそうな男だったんですよね。
これまでの功績はすべて相方の野田もので、二本松はそれに寄生していたんですね。
そんな彼が相方の野田を撲殺してまでも、自分の手柄にしたかったのが『ファルコン定理の解明』でした。
脳しんとうを起こした相方・野田が蘇生した時、『ファルコン定理』の数式を壁の落書きのように書き出したのを見たとき思ったんでしょうね。
「これでまた世の中の人々の上に立てる」とか
「度肝を抜かせられるぞ」とか
「名誉ある賞を受賞できる」とか
なんせ、長年誰も解くことができなかった難問の、答えが、今目の前に存在しているわけですからね。
数学者だったら、喉から手が出るほど欲しい物なのですよ。
しかし二本松は、野田からコンビ解消という名の引導を渡されたわけですから、わけがわからなくなって殴っちゃうんですね。
実力のない人こそ、暴力に及んでしまう・・・悲しいですよね。
要するに、数学に携わっている者にとって『ファルコン定理』とは、他人の命を奪ってでも手柄にしたい、壮大な難問だったのです。
ただ可愛そうだったのが、二本松が事件を犯す1週間もまえに、アメリカの数学者が解明してしまっていたという事実です。
VSクイズ王 1996年2月14日放送
『VSクイズ王』では、古畑任三郎がクイズ番組のチャンピョン・千堂謙吉(唐沢寿明さん)を罠に引っ掛けるために、司会者に協力してもらい、読み上げてもらったクイズの問題として登場しました。
ピンポーン!と勢いよくボタンを押した、チャンピョン・千堂の回答は・・・。
「アンドリュー・ペニントンとスタンディール・ロックフォード」
ブッブー!!
「えー、千堂さん、あなたを逮捕しますー」
この古畑任三郎のせりふ、痛快でしたよね!
このときのファルコン定理は、ドラマの小道具として作成された毎朝新聞の一面を飾ったビッグニュースでしたので、もちろん内容は、まるっきり嘘っぱちだったんですよね。
ファルコン定理は解明されている?
そうなんですよね。
放送順でいうと『笑うカンガルー』⇒『VSクイズ王』なので、解明されたあとでの小道具の新聞の嘘っぱちニュースって・・・どういうこと?ってなります。
しかし、古畑任三郎シリーズのドラマは時系列順に放送されているわけではないので、『VSクイズ王』⇒『笑うカンガルー』という時の流れなのかも知れません。
前者であるなら、アメリカの数学者が解明したというのは、検算で解明されていなかったとことが証明されたことになります。
後者であるなら、小道具の新聞では解明されていなかったファルコン定理が、オーストラリア旅行をする1週間まえに正式に解明されたことになりますよね。
ファルコン定理の元ネタとは
長々とご紹介してきました『ファルコン定理』ですが、冒頭でもお伝えした通り、古畑任三郎の世界だけの難問なのです。
ですが、元ネタがありました。
本物のほうは『フェルマーの最終定理』といいます。
両者の名称は非常に似ていますが、『ファルコン定理』と『フェルマーの最終定理』に他にも似ている点が多々ありますので、比べてみます。
・長年謎とされている
・1995年4月12日放送分で解明されたとされている
・解明したアメリカの数学者の名前は『アンドリュー・ペニントン』
・300年以上解明されていない
・1995年2月13日に完全証明された
・解明した数学者の名前は『アンドリュー・ワイルズ』
ね?ほとんどが共通していますよね。
フェルマーの最終定理って何?
ズバリいうと、フェルマーの最終定理とはこれです!
3以上の整数nについて、『Xn+Yn=Zn』となるような0でない自然数の組み合わせはない
これ、n=2だったら成立するんですよ。
32+42=52
(3×3)+(4×4)=(5×5)
9+16=25
でも、『nが3以上になると成立しない』っていうんですよね。
なぜ解明まで300年以上かかったのか
この問題を作ったのがフェルマーさん。
フェルマーさんは数学者ではなく、裁判官でした。
裁判官というのは、他人との交流によって公平な判断ができないとか、交流のあった人を裁かなければならない場面に出くわした時に困るなどの理由から、仕事以外は家に閉じこもる生活をしていたのです。
で、フリーの時間をどう過ごすかというとフェルマーさん、趣味だった数学の問題を解きまくるっていうことをしていたのです。
どんな問題も簡単に解いているうちに、自分で問題を作るようになったフェルマーさんは、様々な数学者に挑戦状のように突きつけて楽しんでいたそうなのです。
ちょっと偏屈な性格だったようですね。
で、様々な問題を作り、それをとある本の余白に書いていたのですが・・・、フェルマーさんが亡くなったあとに発見された問題の数々。
数学者たちはこぞって解きまくったそうですが、一問だけ・・・どうしても解けない問題がありました。
それが『3以上の整数nについて、『Xn+Yn=Zn』となるような0でない自然数の組み合わせはない』だったのです。
最後の最後まで解けない問題ということから、『フェルマーの最終定理』と名付けられました。
めっちゃ簡単そうなのに、解けない・・・。
なぜか・・・。
答えが書かれていなかったから!なんです。
では、なぜ答えを書いてくれていなかったのかですよね。
軽い意地悪だったのかも知れませんが、その問題と一緒にフェルマーさんはこんな一言を書いていたんだそうです。
『自分には解けている。しかし、それを証明するには余白が足りなすぎる』
これを書いたフェルマーさん、まさか300年以上も解けなくて、多くの数学者を悩ませるとは思いも寄らなかったでしょうね。
フェルマーの最終定理の答えは?
1995年2月13日に、アンドリュー・ワイルズさんによって完全証明された『フェルマーの最終定理』の答えは・・・。
『存在しない』
です。
https://youtu.be/38U0Mhp3MbQ
古畑任三郎で話題のファルコン定理とは?元ネタはフェルマーの定理のまとめ
大好きなドラマ、古畑任三郎。
古畑任三郎では、私たちの世界に実在するものと共通するのがたくさん登場しますよね。
ドリフターズのカトちゃんとか
桃井かおりさんとか
サン・トワ・マミーとか
その中で出てくる『ファルコン定理』ですので、本物の数学問題だと思っていました。
どんな問題なのかとか、答えは何だったのかとか、気になったので調べた結果が驚きの連続でした。
『ファルコン定理』は存在しない問題で、元になったであろう問題が『フェルマーの最終定理』でした。
内容は、『3以上の整数nについて、『Xn+Yn=Zn』となるような0でない自然数の組み合わせはない』YES or NOでした。
その答えは『YES』です。
300年以上も悩みに悩ませてくれた『フェルマーの最終定理』が、スッキリ証明され終止符が打たれ本当に良かったです!