
やっぱりプロの焼き加減は違うなぁ・・・。
レストランで運ばれてきたステーキにナイフを入れると、驚くほどスッと切れる。
口に運べば、ジューシーで柔らかい食感が広がる。
和臣は思わず感動した。

俺もこんなふうに焼けたらなぁ。

ふふっ、前に作った時、結構苦戦してたもんね。
悠真が笑いながら思い出す。
たしかに、和臣が自宅で焼くと、いつも肉が固くなってしまう。
焼き加減に気をつけてるつもりなのに、なぜかうまくいかないのだ。
そんな話をしていると、ふと目に入ったのはメニューの説明文。
「特製パイナップルソース仕込みの柔らかステーキ」と書かれていた。
「せっかくお肉を焼いたのに、なんだか固くなってしまった…」そんな経験はありませんか?
焼き加減に気をつけても、部位によっては思った以上に噛みごたえのある仕上がりになってしまうこともあります。
じつは、お肉を柔らかくするには パイナップル を使うのが効果的。
パイナップルに含まれる 酵素(ブロメライン) にはタンパク質を分解する働きがあり、これを活用すると簡単にジューシーで柔らかなお肉に仕上げることができます。
肉 + パイナップル = 酢豚?

・・・パイナップル?

ああそういえば、パイナップルの酵素が肉を柔らかくしてくれるらしいよ。

まじで? そんな手があったのか・・・!

たしか、お肉にパイナップルを漬けておくといいって聞いたことある。

へぇ~・・・。
今度焼くときに試してみようかなぁ。
美味しいステーキを楽しみながら、和臣の頭の中には次の料理の計画が浮かび始めていた。
今回は、パイナップルを使ってお肉を柔らかくする方法をご紹介します。
特別な道具も必要なく、手軽に試せる裏ワザなので、ぜひチェックしてみてください!
お肉を柔らかくする!パイナップル活用の裏ワザ
焼いたお肉が固くなってしまう原因の一つは、加熱によって筋繊維が締まること。
そこで役立つのが パイナップル です。
パイナップルに含まれる ブロメライン という酵素は、タンパク質を分解する働きがあり、お肉の筋繊維をほぐして柔らかくする効果があります。
この方法なら、特別な調理技術がなくても ジューシーでやわらかいお肉 に仕上げることができます。
では、早速やり方を見ていきましょう!
【準備するもの】
- パイナップル(生でも缶詰でもOK) … 適量
- 生の場合 → すりおろしor細かく刻む
- 缶詰の場合 → 果肉をつぶして使用
- お肉(牛・豚・鶏どれでも可) … お好みの部位
- 密閉できる袋 or ボウル
【パイナップルでお肉を柔らかくする手順】
① パイナップルを用意する
生のパイナップルはすりおろすか、細かく刻んでペースト状にします。缶詰を使う場合は、果肉をフォークなどで軽くつぶしておきましょう。(ジュース部分には酵素がほとんど含まれていないため、果肉を使うのがポイント!)
② お肉にパイナップルをなじませる
お肉の表面にパイナップルをまんべんなく塗り、密閉できる袋やボウルに入れます。酵素がしっかり働くように 薄く均一に広げる のがコツ!
③ 冷蔵庫で漬け込む
冷蔵庫で 10分〜30分ほど 寝かせます。(時間を置きすぎると、お肉が溶けるような食感になってしまうので注意!)
④ 軽く洗い流して焼く
漬け込みが終わったら、軽く水で洗い流し、キッチンペーパーで余分な水分を拭き取ります。あとは、いつも通り焼くだけ!
すると、お肉が ふんわりジューシーに 焼き上がります。

ステーキや生姜焼き、唐揚げなど、さまざまな料理で試せるので、ぜひ一度チャレンジしてみてください!
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なぜパイナップルでお肉が柔らかくなるのか?
お肉が焼くと固くなるのは、加熱によって 筋繊維が収縮し、水分が抜ける からです。
そこで活躍するのが、パイナップルに含まれる 「ブロメライン」 という酵素。
この酵素が お肉のタンパク質を分解 して、筋繊維をほぐし、柔らかくする働きをします。
パイナップルが効く仕組み
- 筋繊維を分解 → お肉の繊維がほぐれ、噛み切りやすくなる
- コラーゲンを分解 → すじや脂身部分が柔らかくなる
- 水分を保持 → パサつきを防ぎ、ジューシーに
つまり、パイナップルに漬け込むことで、お肉の構造が変化し 焼いても固くなりにくくなる というわけです!
加熱後も効果は続くの?
ブロメラインは 60℃以上で働きが弱まる ため、焼いている間に分解作用は止まります。
しかし、加熱前にしっかり作用しているため、焼いた後も ふんわり食感 が残るのです。
この原理を利用すれば、ステーキや炒め物、唐揚げなど、どんなお肉料理も柔らかく仕上がります!
パイナップルに漬け込むと 多少の甘みは移ります が、工夫すれば気にならない程度に抑えられます。
甘くなりすぎない工夫
- 短時間の漬け込み(30分~1時間程度)
→ 長時間漬けると甘みが強くなるため、必要以上に漬けすぎない。 - パイナップル果汁を軽く洗い流す
→ 漬け込み後にサッと水洗いすることで、余分な甘みを落とせる。 - 下味を工夫する
→ 塩・胡椒・ニンニク・醤油などでしっかり味付けすると、甘さが気になりにくくなる。 - 果汁を直接使わず、すりおろしを薄く塗る
→ パイナップルの果汁に浸けると甘みが移りやすいので、すりおろしを表面に塗るだけにすると控えめな効果になる。 - パイナップルの芯を使う
→ 甘みが少なく、酵素が豊富なので、お肉が甘くなりにくい。

甘いお肉が苦手なら、漬け込み時間を短くして 洗い流す + しっかり味付け するのがベストです!

パイナップルは 生でも冷凍でもOK ですが、目的に応じて使い分けるのがベストです!
︎ スーパーでの入手方法
- 生のパイナップル(カット済み or 丸ごと)
- カット済み(パック入り):果物コーナーにあり、少量使いたいときに便利。
- 丸ごと1個:安いときは1個500円前後。ただし、皮をむく手間がある。
- 冷凍パイナップル(カット済み)
- スーパーの冷凍食品コーナーで購入可。
- 解凍して果汁を絞る or すりおろす だけでOK!
- 果汁が出やすいので、肉を漬けるにはむしろ冷凍のほうが手軽。
- パイナップルジュース(果汁100%のもの)
- 砂糖・添加物なしの100%ジュース なら代用可能。
- 肉を漬けるだけなら、ジュースが最も手軽!
︎ どれを選ぶべき?
◆ 手軽さ最優先なら → 100%ジュース
◆ 冷凍庫に常備するなら → 冷凍パイナップル
◆ フレッシュな香りを楽しみたいなら → 生(カット済み)

普段パイナップルを食べないなら 冷凍 or ジュース を選ぶのが無駄なく使えて便利ですよ!
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パイナップルでお肉を柔らかくする際の注意点
◆ 漬け込みすぎるとお肉がボロボロに!
→ パイナップルの酵素(ブロメライン)は 強力すぎる ため、長時間漬けるとお肉が 柔らかくなりすぎて崩れる ことがあります。
→ 目安は30分~1時間程度。長くても2時間以内にしましょう。
◆ 加熱すると酵素の効果がなくなる
→ パイナップルを お肉と一緒に加熱しても効果はない ので、必ず 加熱前に漬け込む。
◆ パイナップルの種類に注意
→ 加熱処理された缶詰のパイナップル には、ブロメライン酵素がほとんど含まれていません。
→ 生のパイナップル or 冷凍パイナップル を使いましょう。(冷凍パイナップルは解凍すればOK)
◆ 甘くなりすぎる可能性あり
→ パイナップルの果汁に長時間漬けると、お肉に甘みが移りすぎることがあります。
→ 軽く水洗い したり、 塩・胡椒・醤油などの下味 をしっかりつけると甘みが和らぎます。
◆ 酸味が残ることがある
→ 酸味が気になる場合は、 下味に砂糖やハチミツを少し加えるとバランスが取れる。
◆ 食感が変わることがある
→ 鶏肉や豚肉は適度に柔らかくなるが、 牛肉は漬けすぎると食感が変わりすぎる ことがある。
・漬け込みすぎNG!30分~1時間がベスト
・生 or 冷凍パイナップルを使用(缶詰はNG)
・甘みや酸味が気になる場合は、洗い流すor味付けで調整
・牛肉は漬け込み時間を短めに調整
・加熱前に漬ける(加熱すると酵素が失活する)

このポイントを押さえれば、理想の柔らかさに仕上げられますよ!
肉が圧倒的に柔らかジューシー!の、まとめ
お肉を柔らかくする裏ワザとして パイナップル を使う方法を紹介しました。
パイナップルに含まれる ブロメライン酵素 が お肉のたんぱく質を分解し、ジューシーで柔らかい食感 に仕上げてくれます。
ただし、いくつかのポイントに注意が必要です。
◆ 生 or 冷凍パイナップルを使用(缶詰はNG)
◆ 漬け時間は30分~1時間程度(長すぎると崩れる)
◆ 甘みや酸味が気になる場合は洗い流すor味付けで調整
◆ 加熱前に漬け込む(加熱すると酵素が失活する)
適切な方法で使えば、お手軽に レストランのような柔らかお肉 を楽しめます!
ぜひ試してみてくださいね。
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★おまけ★
後日、和臣は パイナップルの裏ワザ を試して、お肉を焼いた。
焼き上がった肉を悠真の皿にそっと乗せる。

はい、悠真。
特製ステーキ。

ん、ありがと・・・。
ナイフを入れると、すっと刃が通る。
悠真が一口食べると、思わず目を見開いた。

やわらかっ・・・!
和臣これ、本当に俺が知ってる和臣のステーキ?

おい、俺の料理にそんな疑いの目向けるなよ。
和臣はふっと笑いながら、悠真の髪をくしゃっと撫でる。

だって、いつもよりさらに美味しいんだもん・・・。
悠真は幸せそうに口を動かしながら、和臣を見上げる。

ねぇ、和臣。

ん?

俺、和臣の作るご飯が世界一好き。
ふいにそんなことを言われて、和臣は一瞬動きを止めた。
そして――

・・・知ってる。
不意に悠真の頬をそっと掴み、そのままくちびるを落とす。
温かくて、優しくて、それでいてどこか焦れるようなキス。

ん・・・。
もぉ、ご飯中・・・。

いいじゃん。
お前が可愛いこと言うから。
悠真は少し頬を染めながら、それでも幸せそうに笑った。

じゃあ、もっと言おっかな。

・・・覚悟しとけよ?
そう言って和臣は、悠真の頭を優しく引き寄せる。
テーブルの上には、まだ食べかけのステーキ。
けれど、2人の世界はもう お互いしか見えていなかった。