
和臣、ちょっとこっち来て。
玄関に入ってきた和臣を見て、悠真が声をかけた。

ん?
不思議そうに近づく和臣を、悠真はくるっと回らせて背中をチェックする。

やっぱり・・・背中、泥はねついてるよ。

え、マジ?
和臣は慌てて近くの鏡に映る自分の背中を確認する。
お気に入りデニムジャケットの下部に、うっすら茶色の飛び散った泥が・・・。
雨上がりの道を自転車で走ったせいだろう。

うわっ、やられた・・・。
雨が降ったあとのぬかるみなどで、お気に入りのデニムについてしまった泥汚れ。
とくに雨の日や自転車に乗った後は、知らないうちに背中や裾に泥はねがついていることもありますよね。
泥はねは、普通に洗濯しても落ちにくい!
ため息をつく和臣に、悠真が静かに言った。

ちょっと脱いで。
試したい方法があるんだ。
じつは文房具の“ノリ”を使うと、驚くほど簡単に落とせるんです!
今回は、そんな泥汚れをスッキリ落とす裏ワザをご紹介します。

え、今ここで?

洗濯機に入れる前の処理が大事だから。
ほら、早く。
悠真がタオルを取り出しながら促すと、和臣はしぶしぶジャケットを脱ぎ始めた——。
ノリを使った泥汚れを落とす裏ワザ!
お気に入りの服についてしまった泥汚れ、普通に洗っても落ちにくくて困ったことはありませんか?
そんなときに役立つのが 「文房具のノリ」 を使う裏ワザ!
泥汚れにノリを塗ってから洗濯するだけで、しつこい汚れもスッキリ落ちます。
今回は、この簡単な裏ワザのやり方を詳しく解説します!
準備するもの
- 洗濯用洗剤(普段使っているものでOK)
- 文房具用の液体ノリ(スティックタイプではなく、水性の液体タイプを使用)
- ぬるま湯(汚れを軽く落とすため)
- 柔らかい布またはスポンジ(もみ洗い用)
泥汚れを落とす手順
① 泥汚れを乾かさず、軽くもみ洗いする
泥汚れは 乾くと繊維にこびりついて落ちにくくなる ため、なるべく 乾かないうちに ぬるま湯で軽くもみ洗いしましょう。ゴシゴシこすると繊維の奥に入り込んでしまうので、優しく汚れを浮かせるイメージで。
② ノリをたっぷり塗る
水気を軽く切ったら、泥汚れがついた部分に 文房具の液体ノリをたっぷりと塗ります。ノリが汚れを包み込み、繊維から剥がれやすくなります。
③ 15〜30分ほど放置する
ノリを塗ったら そのまま15〜30分ほど置きましょう。ノリが乾きすぎると落としにくくなるので、適度に馴染ませるのがポイント。
④ ぬるま湯で軽くすすぐ
時間が経ったら、ぬるま湯でノリを軽く流します。この段階で汚れが浮いてきているのが分かるはず!
⑤ 洗濯機でいつも通り洗う
最後に、普段通り洗濯機で洗えば完了! しつこい泥汚れが 驚くほどキレイに 落ちています。

この方法なら、泥遊びやスポーツの後の 泥汚れも簡単にスッキリ!
ぜひ試してみてくださいね。
文房具の液体ノリって、思い描いてるあのノリでいいの?
はい、あのノリ、「水のり」 を使うのが正解です!
文房具コーナーで売られている透明な液体のり(PVA系の水のり) を使います。
例えば、ヤマトの「アラビックヤマト」や、セメダインの「C液体のり」などが該当します。
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一方で、スティックのりや白いドロッとしたでんぷん系ののり(例:フエキのり) は使えません。
これらは水に溶けにくく、洗濯機の中でベタついたまま残る可能性があるため、必ず透明な水のりを使う ようにしましょう。
なぜノリで泥汚れが落ちるのか?
ノリを使うと泥汚れが落ちやすくなるのは、「ノリが汚れを包み込み、繊維から引きはがす働きをする」 からです。
① 泥汚れの性質
泥汚れは 細かい土の粒子が繊維の奥に入り込むことで落ちにくくなる のが特徴です。
とくに 乾いてしまうと繊維に強く結びついてしまい、普通の洗剤ではなかなか落ちません。
② ノリの成分が汚れを包み込む
文房具の液体ノリに含まれるPVA(ポリビニルアルコール)という成分が、泥汚れに密着しながら 膜を作る 働きをします。
これにより、泥汚れがノリと一緒に固まり、繊維から剥がれやすくなります。
③ 洗濯時にノリと一緒に汚れが流れ落ちる
ノリが乾燥する前に洗濯機で洗うことで、ノリが水に溶けながら汚れを巻き込んで繊維から離れやすくなります。
そのため、普通に洗濯するよりも 圧倒的にキレイに泥汚れを落とせる のです。
ノリが溶けながら泥汚れを絡め取るのは本当?
はい、本当です。
文房具の液体ノリに含まれるPVA(ポリビニルアルコール)は、水に溶ける性質を持っています。
洗濯機の水と洗剤によってノリが溶け出し、泥汚れを包み込んで一緒に流れ落ちる仕組みになっています。
ただし、正しい方法で使わないと洗濯機に負担をかける可能性もあります。
たとえば、ノリを大量に使いすぎると、洗濯機の排水フィルターに詰まる可能性がゼロではありません。
洗濯機を傷めないための注意点
ノリは適量を使う(少量でOK)
・泥汚れ1箇所につき、ノリは500円玉サイズくらいで十分です。
・必要以上にベタベタ塗りすぎると、洗濯機に負担がかかる可能性があります。
ノリをしっかり洗い流してから洗濯機へ
・ノリを塗った後は、軽くもみ洗いして水で流してから洗濯機に入れると安心です。
・こうすることで、洗濯機の排水フィルターや配管が詰まりにくくなります。
仕上げに「すすぎ」をしっかりする
・洗濯機の「すすぎ」を1回追加すると、ノリの成分がよりキレイに流れます。
排水フィルターの掃除を定期的におこなう
・ノリの成分は基本的に水に溶けますが、泥の粒子と混ざるとフィルターに溜まることもあります。
・洗濯機の排水フィルターを定期的に掃除しておけば、詰まりのリスクはほぼゼロにできます。
ノリを使うと泥汚れがキレイに落ちるのは、ノリが汚れを包み込み、水で溶けながら流れ落ちるから です。
ただし、使いすぎや適切な処理をせずに洗濯機に入れると、排水フィルターが詰まる可能性もあるため、ノリの量を守る・事前にもみ洗いする・すすぎをしっかりする などの対策をすると安心です。
水のりを使った泥汚れ落としの裏ワザの注意点
1. 使うのりは「水のり」に限定する
- PVA系の透明な液体のり(水のり) を必ず使用してください。
- スティックのり、でんぷん系のり(白いのり)はNG! 洗濯機の詰まりやベタつきの原因になります。
2. のりをつける前に泥汚れを軽く落とす
- 泥汚れが乾いている場合はブラシや手で軽くはたいて、余分な泥を落とすと効果アップ。
- 泥が湿っている場合は、一度水で流してからのりを塗るのがおすすめ。
3. のりは薄く均等に塗る
- 厚く塗りすぎると洗濯時にベタつくことがあるので、薄く全体に広げるのがポイント。
- 指やスポンジで伸ばすとムラなく塗れます。
4. 乾かさずにすぐ洗濯する
- のりを塗ったまま放置すると乾いてしまい、洗濯時に溶けにくくなることがあります。
- のりを塗ったらすぐに洗濯機で洗うのがベスト!
5. 洗濯機の設定は通常洗いでOK
- お湯ではなく水で洗う ことで、のりが適切に溶けて汚れを絡め取ります。
- 特別な洗剤は不要ですが、普段使っている洗剤を一緒に入れて洗っても問題ありません。
6. デリケートな衣類には注意
- 高級素材やシルク、ウールなど水洗いNGの衣類には使用しないでください。
- デニムやTシャツ、スポーツウェアなど、通常の洗濯ができる服に使うのが安心。
7. 完全に落ちない場合は2度洗い
- ひどい泥汚れの場合、1回目の洗濯で落ちきらないことも。
- その場合は、もう一度のりを塗って再度洗濯すると、より効果的に落とせます。

この裏ワザを正しく使えば、泥汚れがスッキリ落ちるはずです!
服についた泥汚れを落とす方法の、まとめ
泥汚れを簡単に落とす裏ワザとして 「水のり」を活用する方法 を紹介しました。
手順はとてもシンプル! 泥汚れに水のりを塗り、そのまま洗濯機で洗うだけ で、しつこい泥汚れが驚くほどキレイに落ちます。
この裏ワザが効果的な理由は、水のりに含まれる PVA(ポリビニルアルコール)が泥を包み込み、洗濯時に一緒に流れ落ちる ため。
通常の洗剤だけでは落としにくい泥汚れも、この方法ならスッキリ!です。
ただし、水のり以外ののり(スティックのり・でんぷんのり)は使わない、のりを塗ったら乾かさずにすぐ洗濯する など、いくつかの注意点もあります。
デリケートな衣類には不向きなので、スポーツウェアやデニムなど、普段洗える服に使うのがベスト!
ノリを使った洗濯のメリット
◆ ゴシゴシこすらなくてもOK! 繊維を傷めずに汚れが落ちる
◆ 乾いた泥汚れにも効果的! 普通の洗剤だけでは落ちにくい汚れにも使える
◆ 手軽にできる! 特別な洗剤を使わなくても家にあるもので簡単に対処できる
ノリを塗っておくだけで、洗濯機でいつも通り洗うだけでスッキリ落ちるので、手間なく簡単に泥汚れを落とせる裏ワザ です!

簡単&効果抜群のこの方法、ぜひ試してみてくださいね!
★おまけ★
洗濯機が回る間、二人はソファでくつろいでいた。
和臣は悠真の膝に頭を乗せスマホをいじっていたが、悠真はそんな彼の髪を指先で梳きながら、ふと笑う。

しかし、ノリで泥汚れが落ちるなんて不思議だよな。

ふふ、ちょっとした化学反応ってやつだね。
和臣がスマホを置いて、悠真を見上げる。

悠真って、ほんと頼りになるよな。

ん? なに、急に。

だってさ、俺が気づいてないことにすぐ気づくし、パッと動いてくれるし。
悠真は少し照れたように笑いながら、和臣の前髪を優しく撫でる。

和臣のこと好きだからね。
できることはやってあげたいよ。
和臣は目を細めて「…そっか」と呟くと、悠真の手を取って、指先に軽く唇を押し当てた。
そんな甘い空気の中、洗濯機の終了音が響く。

あ、終わった。
悠真が立ち上がると、和臣は少し不満げな表情を見せる。

もうちょっとこのままでいればいいのに。

ダメダメ、ほら、ちゃんと落ちたか確認しなきゃ。
二人で洗濯機からデニムを取り出し、広げてみる。

おぉ、ほんとに綺麗になってる!

ね? すごいでしょ。
和臣が感心しながらデニムを眺めていると、悠真がふいに微笑んだ。

じゃあ、これからも和臣が泥はねつけたら、全部俺がきれいにしてあげるね。

・・・悠真がそう言うなら、たまにはわざと汚して帰ろうかな。

それはダメに決まってるでしょ!
そう言いながらも、二人の間にはあたたかい笑いが広がっていた。