バンクシーという有名なアーティストをご存知でしょうか。
この人物は、世界中に姿を現しては多くの作品を世に送り込んでいる芸術家です。
バンクシーは神出鬼没であるが故にその姿を知る者はおらず、次に現れるのがいつでどこに現れるのかが全く検討がつかない状態なのです。
謎に包まれた覆面アーティスト・バンクシー。
世界中で騒がれるアーティストってどんな人物?何者なの?
ミステリアスなだけに気になりますよね!
そこで今回は、バンクシーの謎に出来る限り迫っていきたいと思います。
バンクシーの人物像とは?オークションにかけられた作品やその時に起きたハプニングのこと、そして、遂にその正体が明らかになっちゃった?!
突き止めちゃいますよ!!
バンクシーって何者?基本情報
バンクシーは1990年代前半から、イギリス・ロンドンを中心に活動を開始した謎の覆面アーティストです。
アーティストって何やってる人?って思いますよね。
『グラフィティ・アート』って、ご存知でしょうか。
活動内容としては夜間の街角などに繰り出して、ビルの壁や路上などに赤や黄色や青などのカラフルなスプレーで『落書き』をして回っているというもの。
そうなんです。
『グラフィティ・アート』なんてカッコよく言っていますが、『落書き』なんですよね。
バンクシーは素顔や本名・国籍はおろか、年齢や性別さえも非公開で活動しているので、誰も知る者はいないのです。
・・・そりゃそうですよね。
落書きして回ってるんだから、素性なんて明かせないですよね!
しかし、ただの落書きではありませんでした。
モノトーンで描かれることの多いバンクシーのグラフィティ・アートは、イギリスの行政をも唸らせる高クオリティだったのです。
以前グラフィティを消してしまった後に、その美術的価値を見出したイギリス行政は、バンクシーに対してこんな声明文を発表したほどです。
『街の海岸通りに再度バンクシーがグラフィティを描いてくれることを待ち望んでいる』
街に落書きをしてください!だなんて、異例の措置ですよ!
お陰でロンドンの街の至るところにバンクシーのグラフィティ・アートが、強化ガラスで品質管理された状態で見ることができるのです。
更に、いたずら好きとしても有名なバンクシーは、ルーブル美術館にこっそり忍び込んで大胆にも自分の作品を展示した過去がありました。
この時は数日間、誰も気づかなかったことからも、バンクシーの作品が著名な画家にも引けを取らない程のクオリティの高さであることを証明しましたよね。
バンクシーって何者?オークションにかけられた作品の秘密
バンクシーの作品のクオリティの高さが、世界中に知れ渡り人気が出ると、高値で取引されるようになっていきました。
2018年10月、ロンドンのサザビーズオークションハウスに出品されたのは、バンクシー作品の中でも超有名な『Balloon Girl(赤い風船に手を伸ばす少女)』というタイトルの絵画です。
壁画を現地から切り取って持ち込まれたのかと思いましたが、ちゃんと額縁に入れられたものでホッとしました。
世界的にも超有名となったグラフィティ・アーティストの作品が出品されるということで、会場内はソワソワ・ザワザワ。
オークションが開始されると、金額がどんどん釣り上がり最終落札金額が104万ポンド(1億5500万円)で決定!
ここから世にも恐ろしいハプニングが!
ハンマーの音が響き渡り、オークション終了を告げたその瞬間でした。
展示されていた『Balloon Girl』がゆっくりと、額縁の下部にスライドして出てくるではありませんか!
しかも、シュレッダーにかけられた状態で。
絵の下半分だけが短冊状の無残な姿となった絵画は、スタッフによってそそくさと片付けられてしまいます。
これ、実はバンクシー本人が仕組んだいたずらでした。
でもドッキリとは全然違っていて、104万ポンド(1億5500万円)という値段のついた正真正銘本物の絵画がシュレッダーの餌食となっているのです。
なぜいたずらだと分かったのだと思いますか?
それはオークション後に、バンクシー本人がSMSでタネ明かししているからに他なりません。
『いつかオークションにかけられた時のために作品の中にシュレッダーを仕掛けておいた』
元々資本主義に批判的で、オークションも否定的な考えを持っているバンクシー。
美術品を高値で売買する行為が受け入れられず、オークションへ挑発的な行為に出たのではないかと波紋を広めています。
しかし不思議なのが、どのようにしてシュレッダーを作動させたのか?ということですよね。
憶測①バンクシー本人の仕業
オークション当日会場の入り口で、目深にかぶった帽子とサングラスを着用した不審な男性が警備員ともみ合いになっていました。
もしかしたらこの男性がバンクシー本人で、仕掛けを作動させたのではないか?と、されています。
憶測②バンクシーの仲間の仕業
バンクシーの作品であるなら、サザビーズサイドがこの仕掛に気付かないわけがありません。
シュレッダーを仕掛けられた状態で展示していたということは、バンクシーには仲間がいて、会場にスタッフとして紛れ込んで遠隔操作をしたのでは?と、されています。
因みに 落札した状態ではなくなった作品は、買い取りを拒否する権利があるんだそうですよ。
噂レベルで申し訳ないのですが、落札者は買い取り拒否をしていないそうです。
更に驚くことに、シュレッダーにかけ破壊されたにもかかわらず、この作品の値段が倍増しそうなんですって。
200万ポンド(2億9900万円)!!
額が大き過ぎて、もはや異次元の世界ですね。
製作した段階で、オークションにかけられることを見越していたバンクシーのいたずら。
この件に関して街の声は、
『自分の作品をオークションにかけないように契約書などで制限できたはずだ』
『自分の作品ではあるが、自分の手を離れ別の人に渡った瞬間から所有者ではなくなるので、こんな事になって落札者がかわいそう』
『額縁の仕掛け込みで凄い価値がある。自分が落札者だったら興奮するよ』
『バンクシーのパフォーマンスを見ていると、これもエンターテイメントだ』
様々な反応を見せていました。
シュレッダーは半分で止まりましたが、バンクシーにとってはこれこそアクシデント!
本来は絵画全部を短冊状にする予定だったことを匂わせることもSMSで投稿もされていました。
そして意味深にピカソのこんな名言も。
『破壊の衝動は創造の衝動でもある』
バンクシーは『作品を破壊するまでが創造活動だ』と、解釈しているのかもしれませんね。
バンクシーって何者?謎に包まれたヴェールが今解き明かされる
これまでバンクシーの正体については様々な憶測が飛び交っていました。
誰もその正体にたどり着けない、謎に包まれた人物『バンクシー』。
その正体が遂に明らかに!!
それまで「この人がバンクシーなのではないか?」と、有力視されていた人物がいました。
『ロバート・デル・ナジャ(通称:3D)』という男性で、イギリスの人気音楽ユニット『マッシヴ・アタック』の中心人物です。
彼に目をつけた要因は、マッシヴ・アタックがツアーで回った先々で、バンクシーが出没しグラフィティを残していることでした。
確かに、マッシヴ・アタックのツアーとバンクシーの新たな絵画が行動を共にしているならば、そのメンバーの誰かではないか?と、疑いの目がいきますよね。
バンクシーは神出鬼没
バンクシーって、オフィシャル・サイトを持っているのですが、そのサイトをある男性が閲覧していると、一枚の写真に目を奪われました。
その写真は、パレスチナのヨルダン川西岸地区のベツレヘムにあるカトリック礼拝堂『ミルク・グロット教会』周辺で作成されたグラフィティ・アート。
ちょうど一週間前、この地を観光で訪れていたこの男性が、たまたま目にした光景を一枚の写真に収めていました。
グラフィティを描き終えたであろう人物が、右手にスプレー缶を握りしめて周辺を気にしている様子で、「無名のアスリートアーティストが作品を描きにきたんだ」程度に思い、写真に収めたんだそうです。
そのグラフィティこそが、バンクシーがアップしていた絵画だったのです。
たまたま偶然、何となく、否、何気なく撮った写真がバンクシーの作品ということは、このスプレー缶を持った男性こそがバンクシーってことになりますよね!
遂にその姿を収められてしまったバンクシー。
もう、逃げも隠れも出来ませんよ!!
そこに写った男の輪郭や口元の感じが3Dにそっくり!
3Dがバンクシーではないか?という噂が確信に変わり、世界中に拡散したものだから大騒ぎです。
しかし、当の3D本人はこれを否定。
「バンクシーとは仲の良い友人でコンサートにきてくれることもある」
このように釈明していますが、ちょっと苦しい言い逃れのようにも聞こえますね。
バンクシーのまとめ
覆面アーティストとして活動しているバンクシー。
落書きがアートとして認められ、作品として高値で取引されているなんて、かなり驚きです。
年齢や性別さえも隠して活動し続けているところが、更に私たちの想像を駆り立てて夢中にさせているのですね。
不覚にもその姿を晒すことになってしまった一枚の写真は、バンクシーにとっては痛恨のミスだったはず。
そこに写ったジェントルマンなお姿から、かねてより噂されていたマッシヴ・アタックの3Dこそがバンクシーであるという説が濃厚となってしまいました。
しかし3D本人が否定している以上、バンクシーであると決定づけることはできません。
撮られてしまった写真が不鮮明だったことに命拾い(?)をしたバンクシー。
今後もバンクシーの正体への論争は白熱しそうですね。